電験三種 H26年 機械 問7 問題と解説

 問 題     

次の文章は、単相変圧器の簡易等価回路に関する記述である。

変圧器の電気的な特性を考える場合、等価回路を利用すると都合がよい。また、等価回路は負荷も含めた電気回路として考えると便利であり、特に二次側の諸量を一次側に置き換え、一次側の回路はそのままとした「一次側に換算した簡易等価回路」は広く利用されている。

一次巻線の巻数をN1、二次巻線の巻数をN2とすると、巻数比aはで表され、このaを使用すると二次側諸量の一次側への換算は以下のように表される。

ただし、'(ダッシュ)の付いた記号は、二次側諸量を一次側に換算したものとし、'(ダッシュ)のない記号は二次側諸量とする。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

単相変圧器を模式図で表すと次のような感じになります(これはあくまでもイメージ図なので、覚えなくても構いません。参考程度に受け取ってください)。

これを電気回路に直すと、次のような等価回路が書けます(これ以降の等価回路は重要ですので、ぜひ押さえておいてください)。

  • V1、V2:一次電圧、二次電圧[V]
  • E1、E2:一次側、二次側の誘導起電力[V]
  • I1、I2:一次電流、二次電流[A]
  • r1、r2:一次巻線、二次巻線の抵抗[Ω]
  • x1、x2:一次巻線、二次巻線の漏れリアクタンス[Ω]
  • Z1、Z2:一次巻線、二次巻線のインピーダンス[Ω]
  • ZL:負荷インピーダンス[Ω]

上図は2つの回路に分かれてしまっているので、二次側の諸量を一次側に換算して1つの回路にまとめると、次のような等価回路を描くことができます。

  • α:巻数比(N1/N2)

上図より、二次電圧V2‘は、換算前の二次電圧V2のα倍となることがわかるので、( ア )には「α」が入ります。一方、二次電流I2‘は、換算前の二次電流I2のα分の1倍となるため、( イ )には「1/α」が入ります。同様に見ていくと、( ウ )、( エ )、( オ )にはともに「α2」が入ることがわかります。

二次側の諸量を一次側に換算した等価回路は重要かつ頻出なので、ぜひ図と文字式を併せて押さえておくとよいと思います。

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