電験三種 H26年 電力 問5 問題と解説

 問 題     

二次電池に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. リチウムイオン電池、NAS電池、ニッケル水素電池は、繰り返し充放電ができる二次電池として知られている。
  2. 二次電池の充電法として、整流器を介して負荷に電力を常時供給しながら二次電池への充電を行う浮動充電方式がある。
  3. 二次電池を活用した無停電電源システムは、商用電源が停電したとき、瞬時に二次電池から負荷に電力を供給する。
  4. 風力発電や太陽光発電などの出力変動を抑制するために、二次電池が利用されることもある。
  5. 鉛蓄電池の充電方式として、一般的に、整流器の定格電圧で回復充電を行い、その後、定電流で満充電状態になるまで充電する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

この問題は(5)が誤りの記述ですが、この選択肢がややマニアックな内容である一方、(1)~(4)は標準的であり、かつ、ぜひ押さえておきたい内容でもあるので、消去法で答えても良いかもしれません。よって、(1)~(4)の文章をしっかり確認すれば、以下の解説は気にしないでも構わないと思います。

(5)は鉛蓄電池がほとんど空になるまで放電した状態から、まず、一応使える程度にまで充電をし(=回復充電)、その後、満充電をするという2段階の充電方法について説明しています。

回復充電の目的は、空になった電池をいち早く使える程度まで充電することなので、(5)にあるような「定格電圧」ではなく、この段階では「定格電圧よりも高い電圧」で回復充電を行います。この際、電流は高めの値で一定を保ちます(=定電流)。

しかし、これはバッテリーの寿命を縮めてしまうので、ある程度充電が進んだのちは、「定格電圧」で充電を続けます。よって、(5)の記述は「定格電圧」を「定格電圧よりも高い電圧」または「定電流」に直すとともに、「定電流」を「定格電圧」に直す必要があります。

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