電験三種 H25年 機械 問8 問題と解説

 問 題     

次の文章は、単相単巻変圧器に関する記述である。

巻線の一部が一次と二次との回路に共通になっている変圧器を単巻変圧器という。巻線の共通部分を( ア )、共通でない部分を( イ )という。

単巻変圧器では、( ア )の端子を一次側に接続し、( イ )の端子を二次側に接続して使用すると通常の変圧器と同じように動作する。単巻変圧器の( ウ )は、二次端子電圧と二次電流との積である。

単巻変圧器は、巻線の一部が共通であるため、漏れ磁束が( エ )、電圧変動率が( オ )。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)   (イ)   (ウ)  (エ)   (オ)

  1. 分路巻線 直列巻線 負荷容量 多く  小さい
  2. 直列巻線 分路巻線 自己容量 少なく 小さい
  3. 分路巻線 直列巻線 定格容量 多く  大きい
  4. 分路巻線 直列巻線 負荷容量 少なく 小さい
  5. 直列巻線 分路巻線 定格容量 多く  大きい

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

単層単巻変圧器の回路は以下のようなものです。

図の真ん中に描かれている巻線のうち、共通部分を「分路巻線」、共通でない部分を「直列巻線」といいます。これが( ア )と( イ )に入ります。

また、二次端子電圧と二次電流は上図でいうとそれぞれV2とI2に相当するため、これらの積である( ウ )には、図の右側に示している負荷のところの「負荷容量」になります。

( エ )と( オ )は、漏れ磁束と電圧変動率の大小について問われていますが、巻線の一部が共通なら、漏れ磁束が発生する部分を減らせるため、まず( エ )には「少なく」が入ります。さらに、漏れ磁束が少なければ漏れリアクタンスも少なくなるため、電圧変動率は小さくなります。よって、( オ )は「小さい」となります。

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