電験三種 H25年 機械 問7 問題と解説

 問 題     

次のaからdの電動機を用いた駆動システムがある。

  • 電機子用、界磁用の二つの直流電源で駆動される他励直流電動機
  • 電機子及び界磁共用の一つの直流電源で駆動される直流直巻電動機
  • 定格の電圧と定格の周波数との比を保って、電圧と周波数とを制御する交流電源で駆動され、一次抵抗及び漏れインダクタンスを無視できる三相誘導電動機
  • 定格の0.9倍の電圧と定格の周波数との比を保って、電圧と周波数とを制御する交流電源で駆動され、一次抵抗及び漏れインダクタンスを無視できる三相誘導電動機

これらの駆動システムにおいて、ある速度で運転している電動機の負荷トルクが増加した場合に以下の運転をするとき、トルクの発生に寄与する電動機内の磁束の変動について考える。

a、bのシステムでは、直流電源で電機子電流を増加して、電動機の速度を一定に保つ。

c、dのシステムでは、交流電源の電圧と周波数を維持すると、滑りと一次電流は増加するが、滑りが小さいとすれば電動機の速度はほぼ一定に保たれる。

この運転において、a、bのシステムでは電機子電流に対して、また、c、dのシステムでは一次電流に対して、電動機内の磁束がほぼ比例して変化するのはどの駆動システムであるか。正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. a
  2. b
  3. cとd
  4. d
  5. bとd

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

aに関して、他励直流電動機は電機子のある回路の外から界磁電流を取り込んでいます。そのため、電機子電流と磁束とは比例しません(磁束が影響を受けるのは界磁電流のほうです)。

bに関して、直流直巻電動機は、電機子と界磁とが直列に接続されています。そのため、電機子電流と界磁電流は同じ値になるので、電機子電流と磁束の関係は比例になります。

cとdに関して、これらはいずれも交流電源の電圧と周波数を維持しているので、磁束は変化しません。よって、一次電流を変化させても磁束は不変である(比例しない)ため、cもdも不適です。

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