電験三種 H25年 機械 問3 問題と解説

 問 題     

三相誘導電動機の回転磁界に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 三相誘導電動機の一次巻線による励磁と、三相同期電動機の電機子反作用とは、それぞれの機種固有の表現になっているが、三相巻線に電流が流れて生じる回転磁界という点では同じ現象である。
  2. 3組のコイルを互いに電気角で120[°]ずらして配置し、三相電源から三相交流を流せば回転磁界ができる。磁界の回転方向を逆転させるには、三相電源の3線のうち、いずれかの2線を入れ換える。
  3. 交番磁界は正転と逆転の回転磁界を合成したものである。三相電源の3線のうち1線が断線した三相誘導電動機の回転磁界は単相の交番磁界であるが、正転の回転磁界が残っているので、静止時に負荷が軽い場合は正回転を始める。
  4. 回転磁界の隣り合う磁極間(N極とS極間)の幾何学的角度は、2極機は180[°]、4極機は90[°]、6極機は60[°]、8極機は45[°]であるが、電気角は全て180[°]である。
  5. 三相交流の1周期の間に、回転磁界は電気角で360[°]回転する。幾何学的角度では、2極機は360[°]、4極機では180[°]、6極機では120[°]、8極機では90[°]回転するので、極数を多くすると、回転速度を小さくすることができる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)は、1文目は正しく、2文目も前半部分は合っていますが、2文目の後半の記述が間違っています。

単相の交番磁界は、正転と逆転の回転磁界の大きさが等しく向きは逆方向であるため、トルクが発生せず、負荷が軽くても重くても、静止時にこれが回転を始めることはありません。

ただし、最初だけ外力によって回転させると、あとは単相誘導電動機と同じように回転を続けることができます。

コメント