電験三種 H24年 理論 問13 問題と解説

 問 題     

図は、抵抗R1[Ω]とダイオードからなるクリッパ回路に負荷となる抵抗R2[Ω](=2R1[Ω])を接続した回路である。入力直流電圧V[V]とR1[Ω]に流れる電流I[A]の関係を示す図として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、順電流が流れているときのダイオードの電圧は、0[V]とする。また、逆電圧が与えられているダイオードの電流は、0[A]とする。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

この問題のポイントは、問題文の「ただし」以降をきちんと読んで、Vが正のときと負のときそれぞれについて、電流が回路内をどのように流れるのかを見極めることです。

まずは問題文の「順電流が流れているときのダイオードの電圧は、0[V]とする」という条件に注目します。ダイオードの電圧が0ということは、この部分の抵抗が全くなく、短絡しているということなので、R1から流れてくる全ての電流がダイオードのほうを通り、R2のほうは全く通らないということです。

よって、Vが正の範囲では、IはVに比例することがわかります(この時点では選択肢がどれも除外できません)。

続いて、問題文の「逆電圧が与えられているダイオードの電流は、0[A]とする」という条件に注目します。先ほどはダイオードのほうにだけ電流が流れましたが、今度は逆に、ここには電流が流れないということなので、R1から流れてくる全ての電流がR2を通って回路を回ることになります。

よって、Vが負の範囲では、IはVに比例しますが、その傾きは正の範囲での3分の1になります。

以上から、選択肢(5)が正しいことがわかります。

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