電験三種 H24年 理論 問7 問題と解説

 問 題     

次の文章は、RLC直列共振回路に関する記述である。

R[Ω]の抵抗、インダクタンスL[H]のコイル、静電容量C[F]のコンデンサを直列に接続した回路がある。

この回路に交流電圧を加え、その周波数を変化させると、特定の周波数fr[Hz]のときに誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの大きさが等しくなり、その作用が互いに打ち消し合って回路のインピーダンスが( ア )なり、( イ )電流が流れるようになる。この現象を直列共振といい、このときの周波数fr[Hz]をその回路の共振周波数という。

回路のリアクタンスは共振周波数fr[Hz]より低い周波数では( ウ )となり、電圧より位相が( エ )電流が流れる。また、共振周波数fr[Hz]より高い周波数では( オ )となり、電圧より位相が( カ )電流が流れる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)及び(カ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)  (ウ)  (エ)  (オ)  (カ)

  1. 大きく 小さな 容量性 進んだ 誘導性 遅れた
  2. 小さく 大きな 誘導性 遅れた 容量性 進んだ
  3. 小さく 大きな 容量性 進んだ 誘導性 遅れた
  4. 大きく 小さな 誘導性 遅れた 容量性 進んだ
  5. 小さく 大きな 容量性 遅れた 誘導性 進んだ

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )と( イ )に関して、リアクタンスは単位が[Ω]であることからもわかるように、リアクタンスが大きいと電流は流れにくく、リアクタンスが小さければ電流は流れやすくなります。よって、2つのリアクタンスが互いに作用を打ち消し合えば、リアクタンスは小さくなります。

インピーダンスは抵抗とリアクタンスとを合成したものなので、抵抗が変わらなくてもリアクタンスが小さくなれば、インピーダンスも小さくなるため、( ア )には「小さく」が入ります。また、インピーダンスが小さくなれば電流は流れやすくなるので、( イ )は「大きな」となります。

( ウ )は、周波数が小さくなったときに、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスのどちらの影響が大きくなるかを考えればよいです。

誘導性リアクタンスは周波数が小さくなると、これも小さくなることがわかります。容量性リアクタンスは周波数が分母にあるため、周波数が小さくなると容量性リアクタンスは大きくなります。よって、周波数が小さくなれば、容量性リアクタンスの影響が大きくなるので、( ウ )は「容量性」です。

また、コンデンサを流れる電流は電圧よりも90°進み、コイルを流れる電流は電圧よりも90°遅れるので、( エ )には「進んだ」が入ります。

( オ )と( カ )は( ウ )と( エ )の反対を指しているため、「誘導性」と「遅れた」になります。

以上から、

  1. 小さく
  2. 大きな
  3. 容量性
  4. 進んだ
  5. 誘導性
  6. 遅れた

となるため、正解は(3)です。

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