電験三種 H24年 機械 問1 問題と解説

 問 題     

次の文章は、直流機の構造に関する記述である。

直流機の構造は、固定子と回転子とからなる。固定子は、( ア )、継鉄などによって、また、回転子は、( イ )、整流子などによって構成されている。

電機子鉄心は、( ウ )磁束が通るため、( エ )が用いられている。また、電機子巻線を収めるための多数のスロットが設けられている。

六角形(亀甲形)の形状の電機子巻線は、そのコイル辺を電機子鉄心のスロットに挿入する。各コイル相互のつなぎ方には、( オ )と波巻とがある。直流機では、同じスロットにコイル辺を上下に重ねて2個ずつ入れた二層巻としている。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア)    (イ)   (ウ)   (エ)    (オ)

  1. 界磁   電機子  交番  積層鉄心  重ね巻
  2. 界磁   電機子  一定  積層鉄心  直列巻
  3. 界磁   電機子  一定  鋳鉄    直列巻
  4. 電機子  界磁   交番  鋳鉄    重ね巻
  5. 電機子  界磁   一定  積層鉄心  直列巻

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

直流機の構造を図で示すと、以下のようになっています。

直流機は界磁や継鉄からなる固定子と、電機子や整流子からなる回転子で構成されます。よって、( ア )には「界磁」、( イ )には「電機子」が入ります。

( ウ )に入るのは「交番」か「一定」かですが、交番磁束というのは時間とともに磁束の向きや大きさが変化することを意味し、一定磁束は時間経過による磁束の変化がないようなことを意味します。

電機子は回転子として回転するため、界磁である電磁石が固定されていても、そこを通る磁束は時間とともに変化することになります。よって、( ウ )には「交番」が入ります。

また、電機子鉄心には、交番磁束による渦電流損を少なくするために「積層鉄心」を使います。これが( エ )です。ちなみに、界磁鉄心のほうも同様の理由で、同じく積層鉄心を使っています。

積層鉄心についてより詳しく知りたい場合には、H30年 電力 問14の解説を参照してください。

直流機の各コイル相互のつなぎ方には、同じスロットにコイル辺を重ねる「重ね巻」と、波のようにつなぐ「波巻」とがあります。よって、( オ )は「重ね巻」が正しいです。

よって、

  1. 界磁
  2. 電機子
  3. 交番
  4. 積層鉄心
  5. 重ね巻

となるので、正解は(1)です。

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