電験三種 H24年 法規 問3 問題と解説

 問 題     

次のaからcの文章は、電気設備に係る公害等の防止に関する記述の一部である。

「電気事業法」並びに「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • 電気事業法において、電気工作物の工事、維持及び運用を規制するのは、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図るためである。
  • 変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設(一定の燃焼能力以上のガスタービン及びディーゼル機関)から発生するばい煙の排出に関する規制については、電気設備技術基準など電気事業法の相当規定の定めるところによることとなっている。
  • 電気機械器具であって、ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用するものは、新しく電路に施設してはならない。ただし、この規制が施行された時点で現に電路に施設されていたものは、一度取り外しても、それを流用、転用するために新たに電路に施設することができる。

   a     b    c

  1. 適切   適切   適切
  2. 適切   適切   不適切
  3. 適切   不適切  不適切
  4. 不適切  適切   適切
  5. 不適切  不適切  適切

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

aについては、電気事業法第1条「目的」が該当します。この条文は以下の通りとなります。

この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

bについては、電気設備技術基準第19条「公害等の防止」1項が該当します。この条文は以下の通りとなります。

発電用火力設備に関する技術基準を定める省令第四条第一項及び第二項の規定は、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する電気設備又は電力保安通信設備に附属する電気設備について準用する。

上記にある「発電用火力設備に関する技術基準を定める省令第四条第一項及び第二項」は以下の通りです。

  1. 大気汚染防止法第二条第二項に規定するばい煙発生施設に該当する電気工作物に係るばい煙量又はばい煙濃度は、当該施設に係る同法第三条第一項若しくは第三項又は第四条第一項の排出基準に適合しなければならない。
  2. 大気汚染防止法第五条の二第一項に規定する特定工場等に係る前項に規定する電気工作物にあっては、前項の規定によるほか、当該特定工場等に設置されているすべての当該電気工作物において発生し、排出口から大気中に排出される指定ばい煙の合計量が同法第五条の二第一項又は第三項の規定に基づいて定められた当該指定ばい煙に係る総量規制基準に適合することとならなければならない。

参照先が多くてややこしいですが、丁寧にたどっていくと問題文bの記述に矛盾や誤りがあるわけではないので、これは適切といえます。

cについては、電気設備技術基準第19条「公害等の防止」14項が該当します。この条文は以下の通りとなります。

ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具は、電路に施設してはならない。

問題文cでは「新しく電路に施設してはならない。ただし~」となっていますが、上記の通り、条件付きではなく禁止されています。

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