電験三種 H24年 電力 問10 問題と解説

 問 題     

こう長20[km]の三相3線式2回線の送電線路がある。受電端で33[kV]、6600[kW]、力率0.9の三相負荷に供給する場合、受電端電力に対する送電損失を5[%]以下にするための電線の最小断面積[mm2]の値として、計算値が最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、使用電線は、断面積1[mm2]、長さ1[m]当たりの抵抗を1/35[Ω]とし、その他の条件は無視する。

  1. 14.3
  2. 23.4
  3. 24.7
  4. 42.8
  5. 171

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

送電損失(線路損失)の計算式は以下のように表されます。

  • Ploss:線路損失[W]
  • R:線路抵抗[Ω]
  • I:電流[A]

ちなみに、係数の3は、3線分の合計という意味です。

また、このうち線路抵抗Rは線路の長さに比例し、線路の断面積に反比例するため、次のように書けます。

  • ρ:抵抗率(断面積1mm2、長さ1m当たりの抵抗Ω) 1/35[(Ω・mm2)/m]
  • l:導体の長さ 20×103[m]
  • A:電線の断面積 [mm2]

一方、三相3線式の受電端電力と受電端電圧、力率がわかっているので、電流I[A]は次の通りとなります。ただし、問題文にある受電端電力6600[kW]というのは2回線分の電力なので、ここでは1回線分に換算しています。

  • P:1回線あたりの受電端電力 3300×103[W]
  • V:受電端電圧 33×103[V]
  • cosθ:力率 0.9

問われているのは、送電損失(線路損失)が受電端電力の5[%]になる電線の断面積A[mm2]を求めることです。上記で示した線路損失Plossの式は1回線あたりの話なので、受電端電力も2回線分ではなく1回線あたりに換算すると、以下のように計算することができます。

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