問 題
送電線の送電容量に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 送電線の送電容量は、送電線の電流容量や送電系統の安定度制約などで決定される。
- 長距離送電線の送電電力は、原理的に送電電圧の2乗に比例するため、送電電圧の格上げは、送電容量の増加に有効な方策である。
- 電線の太線化は、送電線の電流容量を増すことができるので、短距離送電線の送電容量の増加に有効な方策である。
- 直流送電は、交流送電のような安定度の制約がないため、理論上、送電線の電流容量の限界まで電力を送電することができるので、長距離・大容量送電に有効な方策である。
- 送電系統の中性点接地方式に抵抗接地方式を採用することは、地絡電流を効果的に抑制できるので、送電容量の増加に有効な方策である。
正解 (5)
解 説
中性点接地方式には以下の4種類があります。
- 直接接地方式(中性点と大地とを直接つなぐ方式)
- 抵抗接地方式(中性点と大地との間に抵抗を設置する方式)
- 非接地方式(中性点接地をしない方式)
- 消弧リアクトル方式(中性点と大地の間にリアクトルを入れる方式)
このうち、抵抗接地方式は、抵抗があるために地絡電流が流れにくくなっています。つまり、(5)の「送電系統の~効果的に抑制できる」という前半部分は正しい記述です。しかし、後半部分の「送電容量」については、特に増加するわけでも減少するわけでもありません。
残る(1)~(4)の記述はいずれも正しいですが、これらも内容的には大事なので、併せて押さえておいてください。
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