使用できる電線の種類
低高圧架空電線は、人などが触れて感電するおそれがあるため、使用できる電線が決まっています。
低圧で300V以下の場合、絶縁電線、多心型電線、ケーブルのいずれかを電線として用いることができます。
低圧で300V超の場合は、引込用ビニル絶縁電線以外の絶縁電線、ケーブルのどちらかを使う必要があります。
高圧の場合、高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、ケーブルのいずれかを電線として用いることができます。
ただし、以下の条件を満たす場合には、感電などの事故のおそれが低いため、裸電線を使うことが認められています。
- 低圧架空電線を、B種接地工事の施された中性線又は接地側電線として施設する場合
- 高圧架空電線を、海峡横断箇所、河川横断箇所、山岳地の傾斜が急な箇所又は谷越え箇所であって、人が容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合
電線の太さ・引張強さ
電線の太さや引張強さは、以下の表の値以上の性能が必要となります。ただし、電線にケーブルを用いる場合は、この基準は適用されません。
使用電圧の区分 |
施設場所の区分 |
電線の種類 |
電線の太さまたは引張強さ |
|
300V以下 |
全て |
絶縁電線 |
硬銅線 |
直径2.6mm |
その他 |
引張強さ2.3kN |
|||
絶縁電線以外 |
硬銅線 |
直径3.2mm |
||
その他 |
引張強さ3.44kN |
|||
300V超過 |
市街地 |
硬銅線 |
直径5mm |
|
その他 |
引張強さ8.01kN |
|||
市街地外 |
硬銅線 |
直径4mm |
||
その他 |
引張強さ5.26kN |
引張強さに対する安全率
引張強さに対する安全率は、硬銅線か耐熱銅合金線の場合は安全率2.2、その他の電線なら2.5が必要です。
これが適用になる条件は、低圧架空電線では、使用電圧が300Vを超える場合か多心型電線である場合です。高圧架空電線では、ケーブルである場合を除き、どんなものでも適用となります。
コメント