電気事業法の概要

電験三種の法規科目には、大きく分けると3つの分野があります。

  • 「電気事業法」や「電気工事士法」、「電気用品安全法」などの種々の法律
  • 「電気設備に関する技術基準を定める省令」
  • 電気施設の管理・保守

まず、この項では電気事業法についての概要を解説していきます。

電気事業法の目的

電気事業法の第一条には、この法律の目的が以下のように書かれています。

この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

ちなみに、電気事業とは、発電、変電、送電、配電のことです。

事業の許可等

事業の許可について、まず、電気事業を営もうとする場合、勝手には開業することができません。経済産業大臣に対して申請書を提出し、経済産業大臣の許可を受ける必要があります。

また、申請する際に必要な情報は電気事業の種類によって異なり、たとえば以下のような事項の記載が必要です。

  • 発電:設置場所、原動力の種類、周波数、出力
  • 変電:設置場所、周波数、出力
  • 送電:設置場所、電気方式、設置方法、回線数、周波数、電圧
  • 配電:電気方式、周波数、電圧

電圧、周波数

電気を供給する場所においての標準電圧は普通、100[V]か200[V]のどちらかですが、この電圧ぴったりでなくても構わない一方で、あまりかけ離れた値でも良くありません。電気事業法施行規則には、この許容範囲(維持すべき値)が明記されていて、以下の通りとなっています。

  • 100[V]:101±6[V]
  • 200[V]:202±20[V]

標準電圧が100や200なのに、維持すべき値の基準値が101や202になっている点に注意してください。

また、周波数の値については「標準周波数に等しい値とする。」と定められています。つまり、東日本なら50[Hz]で、西日本なら60[Hz]です。

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