三相3線式送電線でまず最初に覚えておきたい3つの用語と公式があります。それらは、「電圧降下」、「送電電力」、「線路損失」です。前項で電圧降下について扱ったので、本項では送電電力と線路損失について紹介します。
送電電力
送電電力とは、言葉のとおりですが、発電所で作った電気を各所へ送る際の電力のことです。三相3線式送電線の送電電力(有効電力)P[W]は以下のようになります。
- P:三相3線式送電線の送電電力(有効電力) [W]
- Vs:送電端の線間電圧 [V] (supplyの”s”)
- Vr:受電端の線間電圧 [V] (receiveの”r”)
- X:線路リアクタンス [Ω]
- δ:Vs-Vr間の相差角
上式の送電電力の最大値はsinδ=1のときです(Pmax=VsVr/X)。このPmaxを「定態安定極限電力」といいます。また、実際には負荷変動による誤差に対する余裕分をみて、これより少し低い値の「過渡安定極限電力」を設定します。この過渡安定極限電力をもとに、送電をおこないます。
線路損失
線路損失とは、送電の過程で線路抵抗によりロスしてしまう電力のことをいいます。線路抵抗をR[Ω]とし、そこに流れる電流をI[A]とすれば、その線路で消費される電力はRI2[W]になります。
線路損失は三相3線式の電線路では、普通、3線のロスの合計を指すので、線路損失Plossは以下のようになります。
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