その他の発電

重要な3大発電方式は、ここまでの項目で扱ってきた水力・火力・原子力発電です。本項では、それ以外の発電方式について、簡単に解説をします。

火力発電の発展系として「コンバインドサイクル発電」「コージェネレーション」発電方式があります。そのほかに、「燃料電池」「太陽光発電」「風力発電」「地熱発電」などがあります。

コンバインドサイクル発電

コンバインドサイクル発電は、ガスタービン発電と汽力発電を繋げたような原理の発電方法です。

コンバインド(combined)とは、結合された、というような意味があります。つまり、ガスタービン発電を普通におこない、そこから出る排熱を使って、次に続く汽力発電の蒸気を発生させます。これにより単独運転に比べて熱効率が上がります(30~40%くらい)。

コージェネレーション

コージェネレーション、コジェネレーション、コージェネレーションシステムなど、参考書や関係資料によって表記のゆれがありますが、すべて同じものを指します。

先ほどのコンバインドサイクルがガスタービンと蒸気タービンによる「電気+電気」方式であったのに対し、こちらは「電気+熱」方式によって熱効率を上げています。つまり、ガスタービン発電などの排熱で水を温め、その温水を冷暖房や給湯として使います。

コンバインドサイクルもコージェネレーションも、どちらもガスタービンの排熱利用によって熱効率を上げているのは一緒です。利用の仕方が、蒸気サイクルによる発電か、熱交換による温水か、という違いをおさえておくといいと思います。


これ以降に紹介する発電方式は、火力発電とは全然違う発電方法で、いわゆるクリーンエネルギーと呼ばれる発電方式です。

燃料電池

酸素と水素を化学反応させると水ができ、同時にエネルギーが発生します。このエネルギーを取り出す発電方式が燃料電池です。

水素源は水素ガスでもいいのですが、天然ガスを用いることが多いです(反応のためには水素イオンが必要ですが、水素ガスをイオン化するよりも天然ガスから水素イオンを作るほうが楽だからです)。

この発電方式は効率がとても高く、うまくいけば50%くらいになります。

太陽光発電

太陽光発電は、太陽電池の光電効果を利用して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換します。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは、晴天時で約1[kW/m2]です。

また、太陽電池の基本単位をセルと呼びますが、1セルで1[V]程度の直流電圧が発生するため、セルを直列に接続することで電圧を高めています。そして、太陽電池を系統に接続する際は、パワーコンディショナ(インバータと系統連系用保護装置とが一体になった装置)によって直流を交流の電力に変換します。

ちなみに、太陽光発電が普及したことによって日中に電力の余剰が生じることもありますが、余剰電力は揚水発電の揚水に使ったり、大容量蓄電池への電力貯蔵に回したりすることで、余剰分を有効活用しています。

風力発電

風力発電は風の持つ運動エネルギーで風車を回転させ、それを電気エネルギーに変換する発電方式です。

風のもつエネルギー(単位面積当たり)は風速の3乗に比例します。

地熱発電

地熱発電は地下にある蒸気や熱水を熱源とする発電方式です。

蒸気や熱水を取り出してタービンを回転させることで発電します。

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