地中送電線路の布設方式

地中送電線路の布設方式には、管路式、暗きょ式、直接埋設式の3種類があります。

管路式

複数の穴が空いた鉄管や鉄筋コンクリート管、強化プラスチック管を地中に埋め、その穴にケーブルを挿入して電気を通すのが管路式です。イメージとしては以下の図のような感じです。

図の外枠の四角柱が管路そのものを指し、管路には丸い穴がいくつも空いていて、その中にケーブルを通しています。

この方式は後述の直接埋設方式と比べて、複数のケーブルを一遍に管理できるというメリットがあります。撤去やケーブルの追加などの理由で掘り起こすときも、管路ごと掘り起こすことでまとめて作業できるので楽です。

ただし、ケーブルの周りに隙間があまりないため、充分な放熱ができないことがあり、許容電流が制限されます。

暗きょ式

暗きょ式も管路式に似ていますが、多数の電力ケーブルをまとめて埋めるのが管路式であるのに対し、暗きょ式は電力ケーブルだけでなく、ガス管や上水管、下水管、ときには電話線なども合わせてひとつの空間に入れ込みます。このように、様々な管を収納できるようにした入れ物を「暗きょ」と呼んでいます。

暗きょは大きなスペースであるため、保守・点検が比較的簡単にできます。また、管路式のときは放熱が問題になりましたが、こちらはスペースがあるので放熱も充分です。さらに、管路式のメリットとして複数のケーブルを同時管理できることを挙げましたが、暗きょ式はさらに多くの数に対応しています。

このように、機能面では良いとこづくしですが、設置工事に多くの時間とコストが掛かります。

直接埋設式

直接埋設式は最も単純な方式で、地面を掘って、そこにケーブルとそれを保護するカバーを埋めるだけです。

単純な方法ゆえに工事に時間もコストもあまり掛かりません。

しかし、管路式や暗きょ式で紹介したようなメリットをあまり受けられないのが、この直接埋設式です。つまり、多数のケーブルを一気に扱うのには向いていませんし、ケーブルががっちり守られているわけではないので損傷しやすいです。

また、他の方式ではケーブルを交換する際にも管路や暗きょはそのままでいいので作業が容易ですが、直接埋設式では全体を掘り起こすことになるので作業が大変ですので、撤去や増設が簡単ではありません。また、事故時の復旧作業も同様に、管路式や暗きょ式の作業性には劣ります。

コメント