送電線に進み電流が流れて、受電端電圧のほうが送電端電圧よりも高くなってしまう現象を「フェランチ効果(フェランチ現象)」といいます。
これは長距離の送電線路において、非常に軽負荷(もしくは無負荷)のときに発生しやすいです。線路に進み電流が流れることが原因なので、送電線路の静電容量が大きいほど、フェランチ効果が現れやすくなります。
フェランチ効果は送電において望ましくない現象なので、これを軽減する必要があります。そこで有用なのが、調相設備(特に分路リアクトル)です。
三相3線式送電線の電圧降下のページで紹介した通り、線路の電圧降下v[V]は
で表され、受電端の有効電力をP[W]、無効電力をQ[var]とすると、
なので、これを上式に代入すると
となります。
この式のQを変えることで電圧を制御する装置が調相設備です。調相設備の中でも、遅れ無効電力を与える(進み電流を打ち消す)分路リアクトルがフェランチ効果の軽減に役立ちます。
調相設備や分路リアクトルについては調相設備(電力用コンデンサ・分路リアクトル)のページを参照してください。
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