流量の計算
水力発電において、河川の流量を計算することは非常に大切です。「河川の流量」とは、一定期間(1年や1時間)あたりに、雨などによって河川に流れ込んでくる水の量のことです。普通、流量の単位は[m3/s]を使いますので、例えば流域面積100km2の場所で1時間に5mmの雨が降ってきたとしたら、その流量は以下のようになります。
ちなみに、「流域面積」というのは、河川の周辺一帯の面積のことです。より正確にいうと、雨が降ったときにその雨が河川へと流れ込むような範囲の面積です。
実際には流域面積に降った雨のすべてが河川へ流れるわけではなく、地面に浸み込んだり、水溜りとなったまま蒸発してしまう分もあります。そこで、降った雨に対してどのくらい川に流れ込むかを表す「流出係数」を考慮します。
降った雨が100なのに対し、河川に流れる雨が80であれば、流出係数は0.8もしくは80%ということになります。よって、上の計算式にも0.8を掛けて、1.39×102x0.8=1.1×102[m3/s]のようになります。
地面がコンクリートのような場所では雨が流れやすいので、降った雨のほとんどが河川へ行き、流出係数は高くなります。一方、耕地のように雨を吸収するような場所では、流出係数は低くなります。
流量の区分
水力発電を行うにあたって河川の流量が重要になることは先述のとおりですが、雨量は季節や日によって大きく変化します。そのため、その河川の流量が年間でどのくらいあるのかを知ることだけでなく、量の上下がどれほどなのかを知ることも大事になります。そこで、以下のように河川の流量を区分して、その河川の特徴を捉えます。
- 渇水量:年間で355日以上が該当する河川の流量
- 低水量:年間で275日以上が該当する河川の流量
- 平水量:年間で185日以上が該当する河川の流量
- 豊水量:年間で95日以上が該当する河川の流量
- 高水量:年間で1,2日程度該当する河川の流量
- 洪水量:3,4年に一度起こる河川の流量
これを図にすると以下のようになります。
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