電験三種 R2年 電力 問13 問題と解説

 問 題     

次の文章は、スポットネットワーク方式に関する記述である。

スポットネットワーク方式は、22kV又は33kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する方式の一つであり、負荷密度が極めて高い都心部の高層ビルや大規模工場などの大口需要家の受電設備に適用される信頼度の高い方式である。

スポットネットワーク方式の一般的な受電系統構成を特別高圧地中配電系統側から順に並べると、( ア )・( イ )・( ウ )・( エ )・( オ )となる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

スポットネットワーク方式は、下図のように複数の高圧(または特別高圧)配電線からそれぞれ回線を引き込み、断路器、ネットワーク変圧器、ネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズ&プロテクタ遮断器)を設置し、二次側のネットワーク母線に接続するような配電方式です。

図を見てわかる通り、一つの高圧(または特別高圧)配電線が故障しても、残りの配電線から電気が供給されるので、電力供給の信頼性が非常に高いです。

また、ネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズ&プロテクタ遮断器)は自動制御が可能なので、事故時の対応や復旧についても自動的に行われます。

さらに、ほとんどの保護装置は変圧器の二次側に施設され、一次側は断路器が必要になるくらいです。そのため、受電設備が簡素化でき、スペース的にも予算的にもメリットが大きいです。

これらのように、スポットネットワーク方式はメリットがたくさんあるのですが、二次側のネットワーク母線が故障してしまった際には、そこに接続されている全ての需要家が停電を起こすことになります。

以上を踏まえて上図と選択肢を見比べると、選択肢(5)が上図の内容とほぼ一致するので、正解は(5)だと判断できます。

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