電験三種 R2年 電力 問12 問題と解説

 問 題     

高圧架空配電線路を構成する機材とその特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 支持物は、遠心成形でコンクリートを締め固めた鉄筋コンクリート柱が一般的に使用されている。
  2. 電線に使用される導体は、硬銅線が用いられる場合もあるが、鋼心アルミ線なども使用されている。
  3. 柱上変圧器は、単相変圧器2台をV結線とし、200Vの三相電源として用い、同時に変圧器から中性線を取り出した単相3線式による100/200V電源として使用するものもある。
  4. 柱上開閉器は、気中形、真空形などがあり、手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
  5. 高圧カットアウトは、柱上変圧器の一次側に設けられ、形状は箱形の一種類のみである。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)の文章は前半は正しいですが、後半が誤っています。

高圧カットアウトは、配電線路用の開閉器の一種で、配電線路の事故時の事故区間を切り離すために用いられます。

また、電線の短絡や変圧器の過負荷などの異常が起きると、ヒューズを切って電線路を切り離すことにより、事故を高圧系統側に波及させないようにする役割も担っています。

(5)の前半には「柱上変圧器の一次側に設けられ」とあります。柱上変圧器内部や低圧配電系統内での短絡事故を高圧系統側に波及させないようにすることを考えると、高圧カットアウトを柱上変圧器の一次側に設置するのは妥当であり、これは正しい記述です。

一方、(5)の後半では「形状は箱形の一種類のみ」とありますが、実際には「箱形」と「筒形」の2種類があります。

よって、(5)の記述が誤りなので、これが正解です。

…とはいえ、高圧カットアウトが柱上変圧器の一次側に取り付けられるというのは重要事項である一方、形状に関してはややマイナーな知識だと感じます。

そのため、この問題は(1)~(4)の記述が妥当であることから、消去法で正解できれば良いような気がします。

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