問 題
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧配線及び高圧配線の施設に関する記述である。
a ケーブル工事により施設する低圧配線が、弱電流電線又は水管、ガス管若しくはこれらに類するもの(以下、「水管等」という。)と接近し又は交差する場合は、低圧配線が弱電流電線又は水管等と( ア )施設すること。
b 高圧屋内配線工事は、がいし引き工事(乾燥した場所であって( イ )した場所に限る。)又は( ウ )により施設すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア) (イ) (ウ)
- 接触しないように 隠ぺい ケーブル工事
- の離隔距離を10cm以上となるように 展開 金属管工事
- の離隔距離を10cm以上となるように 隠ぺい ケーブル工事
- 接触しないように 展開 ケーブル工事
- 接触しないように 隠ぺい 金属管工事
解 説
aの文章に関して、がいし引き工事により施設する低圧配線と、弱電流電線や水管などとの間には、10cm以上の離隔距離を取らなくてはなりません。これは、火災や感電を防止するための措置です。
しかし、ケーブルや金属管、樹脂管のように電線がしっかり被われているタイプの工事の場合には、火災や感電のリスクが小さいので、接触さえしなければ離隔距離は取らなくても大丈夫です。
よって、aの文章はケーブル工事の話なので、( ア )には「接触しないように」が入ります。
( イ )に関して、今回は選択肢が「隠ぺい」と「展開」の2つですが、一般的には施設場所の区分は以下の3つに分類されることが多いです。
- 展開した場所 :点検が最も簡単な場所
- 点検できる隠ぺい場所 :点検が比較的やりやすい場所
- 点検できない隠ぺい場所:点検が難しい場所
上記を見てもわかる通り、展開した場所は点検が簡単にできるので、どのような種類の工事(がいし引き工事、金属管工事、ケーブル工事…etc)にも向いています。一方、点検できない隠ぺい場所は条件が厳しいので、限られた工事にしか適用できません。
ここで、もし( イ )に「隠ぺい」を入れてしまうと、前後の文章が「乾燥した場所であって隠ぺいした場所に限る」となってしまいます。仮に隠ぺい場所でやることを認められている工事なら、より工事や点検のしやすい「展開した場所」でも認められるべきです。
よって、「~場所に限る」と書いてあれば、それは「展開した場所」しか認められないと読み取ることができます。つまり、( イ )には「展開」を入れるのが正しいです。
( ウ )には「ケーブル工事」か「金属管工事」が入ります。ここで覚えておいてほしいのは、ケーブルは本当に便利な代物であるということです。
今回の高圧屋内配線工事も結論からいえばケーブルを使うことができ、また、そのほかでも低圧・高圧問わず多くの場面で使用されています。たとえば高圧架空引込線の電線にもケーブルを用いることが多いですし、地中電線路の電線に至ってはケーブルしか認められていません。
よって、選択肢にケーブルとそれ以外のものがあって、どちらを適用できるかと問われた場合、ケーブルを選んでおけば大体正解できると思います。そのため、( ウ )では「ケーブル工事」を選ぶのが妥当だと考えることができます。
以上から、正解は(4)となります。
コメント