三相交流回路で電力を測定する場合、電力計を1つのみで測定する方法と、2つ使って測定する方法があります。このどちらの方法をとるかによって、電力計の接続の仕方が変わってきますので、きちんと区別して理解することが重要です。
また、この項では負荷側がY結線であることを前提として解説します。Δ結線のまま考えることもできますが、三相回路の計算問題ではY結線で考えるクセをつけておくと、中性点を利用することができて便利なので、電験三種の試験対策としては、常にY結線で考えることをお勧めします(ちなみに、Δ結線をY結線に変換する方法はΔ-Y変換、Y-Δ変換のページで解説しています)。
電力計1つで測定する場合
Y結線の三相電力については三相電力のページでも解説していますが、中性線を用いて1相あたりの等価回路を描き、その1相分の電力を3倍したものが三相電力となります。
つまり、1相分の電力を測定できるように電力計をつなげばよいので、そのつなぎ方は次のように描くことができます。
- P:三相電力[W]
- P1:電力計の示す電力(1相分の電力)[W]
電力計2つで測定する場合
中性点を使わずに三相電力を測定する方法もあります。
この場合、まず、3つの相(a相、b相、c相とする)のうち、2つを選びます(どれでもいいのですが、ここではa相、b相とします)。
次に、a相の電線を流れる電流と、a相と先ほど選ばなかったc相との相電圧(=線間電圧)が測定できるように電力計を接続します。
同様に、b相の電線を流れる電流と、b-c間の相電圧(=線間電圧)が測定できるように電力計を接続します。
つまり、回路図は以下の図のようになり、このとき、2つの電力計が示した値の合計値が、三相電力に相当します。
- P:三相電力[W]
- Pa:電力計Aの示す電力[W]
- Pb:電力計Bの示す電力[W]
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