電験三種 H28年 理論 問4 問題と解説

 問 題     

図のように、磁極N、Sの間に中空球体鉄心を置くと、NからSに向かう磁束は、( ア )ようになる。このとき、球体鉄心の中空部分(内部の空間)の点Aでは、磁束密度は極めて( イ )なる。これを( ウ )という。

ただし、磁極N、Sの間を通る磁束は、中空球体鉄心を置く前と置いた後とで変化しないものとする。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

     (ア)      (イ)   (ウ)

  1. 鉄心を避けて通る  低く  磁気誘導
  2. 鉄心中を通る    低く  磁気遮へい
  3. 鉄心を避けて通る  高く  磁気遮へい
  4. 鉄心中を通る    低く  磁気誘導
  5. 鉄心中を通る    高く  磁気誘導

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

鉄は磁石にくっつきやすい、というのは知っていると思いますが、それは鉄が強磁性体だからです。強磁性体は磁気抵抗が低いので、磁束を簡単に通すため、( ア )には「鉄心中を通る」が入ります。

しかし、鉄心には中空があり、空気は磁気抵抗が高いので、磁束は空気を避けて通ろうとします。その結果、中空の磁束密度は低めとなり、特にその中心部の点Aでは低いので、( イ )には「低く」が入ります。

このように、ある点や空間の磁束密度を下げるために、敢えて周囲を強磁性体で覆って、磁束がそちらに通るようにする方法を、「磁気遮へい」といい、これが( ウ )に該当します。

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