問 題
シーケンス制御に関する記述として、誤っているものを次の(1)～(5)のうちから一つ選べ。
- 前もって定められた工程や手順の各段階を、スイッチ、リレー、タイマなどで構成する制御はシーケンス制御である。
- 荷物の上げ下げをする装置において、扉の開閉から希望階への移動を行う制御では、シーケンス制御が用いられる。
- 測定した電気炉内の温度と設定温度とを比較し、ヒータの発熱量を電力制御回路で調節して、電気炉内の温度を一定に保つ制御はシーケンス制御である。
- 水位の上限を検出するレベルスイッチと下限を検出するレベルスイッチを取り付けた水のタンクがある。水位の上限から下限に至る容積の水を次段のプラントに自動的に送り出す装置はシーケンス制御で実現できる。
- プログラマブルコントローラでは、スイッチ、リレー、タイマなどをソフトウェアで書くことで、変更が容易なシーケンス制御を実現できる。
正解 (3)
解 説
(3)は「シーケンス制御」ではなく、「フィードバック制御」を用いています。
シーケンス(sequence)とは「順序」という意味を持ち、制御系において使われる場合には、あらかじめ定められた順序に従って、順々に操作を進めていくような制御方法のことを指します。
一方、フィードバック制御とは、現状の値と目標値とを比較し、現状の数値を目標値に合わせるように増減などの操作を行うような制御方法のことを指します。この場合、シーケンス制御と違って、あらかじめ決められた手順に従うのではなく、その場その場でどのような操作をするかを判断していることになります。
(2)や(4)の記述は決められたことを決められた手順で実効すればよいだけなので、これらはシーケンス制御です。一方、(3)の記述は現状の値と目標値とを比較して調節することが求められるので、これはフィードバック制御となります。
コメント