電験三種 H26年 電力 問3 問題と解説

 問 題     

次の文章は、コンバインドサイクル発電の高効率化に関する記述である。

コンバインドサイクル発電の出力増大や熱効率向上を図るためにはガスタービンの高効率化が重要である。

高効率化の方法には、ガスタービンの入口ガス温度を( ア )することや空気圧縮機の出口と入口の( イ )比を増加させることなどがある。このためには、燃焼器やタービン翼などに用いられる( ウ )材料の開発や部品の冷却技術の向上が重要であり、同時に( エ )の低減が必要となる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア)   (イ)  (ウ)   (エ)

  1. 高く  温度  耐熱  窒素酸化物
  2. 高く  圧力  触媒  窒素酸化物
  3. 低く  圧力  耐熱  ばいじん
  4. 低く  温度  触媒  ばいじん
  5. 高く  圧力  耐熱  窒素酸化物

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

コンバインドサイクル発電は、ガスタービン発電と汽力発電を繋げたような原理の発電方法です。具体的には、ガスタービン発電を普通に行い、そこから出る排熱を使って、次に続く汽力発電の蒸気を発生させます。

よって、これを高効率化するためには問題文にも書いてあるように、前段であるガスタービンのほうを高効率化させることが重要です(前段の効率が高ければ連動して後段の効率も高くなるけれど、逆は成り立たないため)。

ガスタービンを高効率化させるには、入口ガス温度が高いほうが大きな熱量を持つために有利なので、( ア )には「高く」が入ります。

また、( イ )は直前に「空気圧縮機の~」とあるので、ここには「圧力」を入れるのが適切です。

( ウ )は、( ア )のあたりでガス温度を高温にする話をしているため、「耐熱」性能が必要となります。

最後の( エ )に関して、燃焼温度が高温だと問題になるのが「窒素酸化物」です。燃料そのものに不純物として含まれている窒素分は、微量であるため大した問題にならないのですが、燃焼温度が高いときには、空気中の8割を占める窒素が酸素と反応し、窒素酸化物が生成してしまいます。

よって、入口ガス温度を高温にする際は、これを除去するための技術や設備も必要となります。

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