電験三種 H26年 理論 問3 問題と解説

 問 題     

環状鉄心に絶縁電線を巻いて作った磁気回路に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 磁気抵抗は、磁束の通りにくさを表している。毎へンリー[H-1]は、磁気抵抗の単位である。
  2. 電気抵抗が導体断面積に反比例するように、磁気抵抗は、鉄心断面積に反比例する。
  3. 鉄心の透磁率が大きいほど、磁気抵抗は小さくなる。
  4. 起磁力が同じ場合、鉄心の磁気抵抗が大きいほど、鉄心を通る磁束は小さくなる。
  5. 磁気回路における起磁力と磁気抵抗は、電気回路におけるオームの法則の電流と電気抵抗にそれぞれ対応する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

磁気抵抗は選択肢(1)の通り磁束の通りにくさを表すパラメータで、以下の式で表されます。

  • Rm:磁気抵抗[H-1]
  • N:コイルの巻き数[回]
  • I:電流[A]
  • NI:起磁力[A]
  • Φ:磁束[Wb]

上式からもわかる通り、これは電気回路における「(電気抵抗)=(起電力)/(電流)」の式に似ています。電気回路における電気抵抗が磁気回路では磁気抵抗に対応し、同様に、起電力は起磁力、電流は磁束に対応します。

よって、(5)の「電流」が誤りで、正しくは「起電力」となります。もしくは、「起磁力」を誤りとして「磁束」に直しても正しい文章になります。

コメント