照明器具で特に大切なのは、前項までで説明した白熱電球とハロゲン電球、蛍光ランプ、LEDですが、本項では、それ以外の照明器具について簡単に紹介していきます。
高圧水銀ランプ
高圧水銀ランプは前項で紹介した蛍光ランプと同じような原理です。ただし蛍光ランプに比べてアルゴンの量を減らし、水銀の量を増やしています。水銀の蒸気圧を高くすることで、水銀が励起状態になったときに励起状態の水銀自体が可視光を発します。
蛍光ランプが放射ルミネセンスと呼ばれるのに対し、こちらは電気ルミネセンスと呼ばれます。高効率、長寿命で、かつ、高輝度なのが特徴です。
ただし、水銀は有害金属であり、環境汚染や健康被害の問題を抱えています。国際条約である「水銀に関する水俣条約」が2017年に発効されたこともあり、今後、水銀灯が新たに用いられることはほとんどありません(既設のものはそのまま使えますが)。
メタルハライドランプ
こちらも高圧水銀ランプとほぼ同じなのですが、封入ガスが水銀とメタルハライド(ハロゲン化金属)の混合物となっています。原理はやはり電気ルミネセンスです。
メタルハライドには具体的にはヨウ化ナトリウムやヨウ化スカンジウムが使われますが、特に覚える必要はないと思います。
こちらも高効率、長寿命、高輝度を実現しています。
低圧ナトリウムランプ
低圧ナトリウムランプでは0.5[Pa]程度の低圧ナトリウム蒸気を封入しています。その蒸気が黄色い光(D線を呼ばれます)を放つので、この色が特徴的です。
この単色光は煙や霧を透過しやすいため、トンネルや高速道路などで活躍します。
高圧ナトリウムランプ
高圧ナトリウムランプは106[Pa]程度のナトリウム蒸気を利用します。その仕組みは高圧水銀ランプと同様です。
キセノンランプ
封入ガスにキセノンを使っているだけで、基本的には高圧水銀ランプや高圧ナトリウムランプと同様です。
ただし、これは人工光源の中で最大の輝度を持つという特徴があります。
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