単相単巻変圧器

単巻変圧器とは

以下の回路図のように、巻線の一部が一次回路と二次回路とで共通になっている変圧器のことを単巻変圧器といいます(図のように単相変圧器であれば、特に単相単巻変圧器と呼びます)。

単巻変圧器の特徴は、巻線の一部が共通であるために漏れ磁束が少なく、結果的に電圧変動率が小さくなることです。

上図のうち、巻線の共通部分のことを分路巻線、共通していない部分のことを直列巻線といいます。

単巻変圧器においては、分路巻線の端子を一次側に接続し、直列巻線の端子を二次側に接続して使用することで、通常の変圧器と同じように動作させることが可能となります。

巻数比、変圧比、電流比、端子電圧の関係

一般的な変圧器の巻数比と変圧比、電流比の関係は巻数比と変圧比のページで紹介しました。

単巻変圧器でも似たようなことがいえますが、こちらは上記の通り巻線内の電圧降下が小さいので、計算上はこれを無視できることになります。そうすると、巻数比と変圧比のページで紹介した式に対して、端子電圧の比も式に加えることができます。

  • α:巻数比
  • N1:一次側の巻数[回]
  • N2:二次側の巻数[回]
  • E1:一次側の誘導起電力[V]
  • E2:二次側の誘導起電力[V]
  • V1:一次側の端子電圧[V]
  • V2:二次側の端子電圧[V]
  • I1:一次巻線に流れる電流[A]
  • I2:二次巻線に流れる電流[A]

また、単相変圧器の負荷容量P[W]は、二次端子電圧V2[V]と二次電流I2[A]の積で表すことができます。

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