地中送電線は、大地間や相間の距離が短くなっているため、インダクタンスが架空送電線に比べて1/3倍か1/4倍程度に小さくなります。逆に、静電容量は架空送電線に比べて数十倍も大きくなるのが普通です。よって、この大きい静電容量の影響を避けるため、分路リアクトルを設置するなどの対策が必要になります。
この項では、この静電容量が原因で生じる無負荷充電容量の計算式を紹介します。
まず最初に、作用静電容量という言葉がありますが、これは地中送電線である三相3線式線路の一相あたりの静電容量のことです(本当は地中送電線に限りませんが、上記の通り、静電容量の大きさが問題になるのは地中が主なので、このような表現にしています)。
作用静電容量Cは、線間の静電容量C線間が3つ分と、大地間の静電容量C大地の分を合わせて、
となります。
また、無負荷時の充電電流は、
より、
- I:充電電流[A]
- f:周波数[Hz]
- C:作用静電容量[F]
- V:線間電圧[V]
となります。
また、無負荷時の充電電流が流れたときの無効電力が、無負荷充電容量と呼ばれるもので、以下の式で表されます。
- Q:無負荷充電容量[var]
上式を使った計算問題が出題されることもありますので、最後の式は特に覚えておくと良いと思います。
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