ビル管理士試験 2019年 問122 問題と解説

 問 題     

給湯設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 器具のワッシャには、細菌の繁殖を防止するために合成ゴムを使用する。
  2. 中央式給湯方式においては、加熱により残留塩素が消滅する場合があるので、その水質には留意する。
  3. 貯湯槽が複数ある場合は、停滞水の防止のため、使用しない貯湯槽の水は抜いておく。
  4. 貯湯槽に流電陽極式電気防食を施す場合は、外部電源が必要である。
  5. 給湯設備に防錆(ぼうせい)剤を使用する場合は、飲料水と同じ管理方法による。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(4)に関して、電気防食の方式で覚えておきたいのは以下の2つです。

  • 流電陽極式電気防食
  • 外部電源式電気防食

流電陽極式電気防食では、鋼よりもイオン化傾向の大きな(=錆びやすい)金属を接続しておくことで、金属が錆びる要因が発生した際に優先的にそちらが錆び、鋼が守られるという仕組みで防食します。この錆びやすい金属のことを「犠牲陽極」と呼びます。

流電陽極式電気防食では、犠牲陽極が消耗するため取り換えが必要となります。しかし、この方式だと外部電源は必要ありません。

一方、外部電源式電気防食では、外部電源から電流を流し(これを防食電流といいます)、これにより鋼中の電位の高低差をなくし、腐食反応を起こさないようにします。

外部電源式電気防食の場合、電流密度の調整など定期的保守が必要にはなりますが、電極の取替えは必要ありません。

以上から、(4)の「外部電源が必要である」が誤りだと判断できます。

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