ビル管理士試験 2019年 問90 問題と解説

 問 題     

空気調和設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. ふく流吹出口は、他の吹出口と比べて、均一度の高い温度分布が得やすい。
  2. 吸収冷凍機は、容積冷凍機や遠心冷凍機と比較して騒音・振動が大きい。
  3. 躯体蓄熱方式を採用すると、一般に熱源機器容量は大きくなる。
  4. 放射冷暖房設備は、他の空調方式と併用せず設置するのが一般的である。
  5. 吸込み気流は、吸込み中心からの距離に反比例して減衰する。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)に関して、空気調和設備の吹出口には、ふく流吹出口、軸流吹出口、線状吹出口、面状吹出口の4種類があります。

ふく流吹出口の「ふく」を漢字にすると「輻」となり、放射状というような意味合いを持ちます。よって、空気が全方向に放射状に送られるため、このタイプは均一度の高い温度分布が得やすいです。

よって、(1)の記述が正しく、これが正解となります。

(2)で、吸収冷凍機は回転部分が少なく、騒音・振動が小さいという特徴があります。よって、(2)の記述は反対です。

(3)で、躯体蓄熱方式を採用すると、躯体のほうで大きな熱容量を蓄熱できるため、熱源機器のほうの容量は小さく済ますことが可能です。よって、(3)の記述は反対です。

(4)に関して、放射冷暖房方式では室内空気の換気が行えません。よって、中央式外調機など他の空調方式と併用するのが一般的です。よって、(4)の記述は誤りです。

(5)で、吸込気流の吸込み速度は、吸込み中心からの距離の2乗におおむね反比例します。よって、(5)は「距離に反比例」ではなく「距離の2乗に反比例」とするべきです。

コメント