ビル管理士試験 2019年 問76 問題と解説

 問 題     

個別方式空気調和設備で使用する換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. パッケージ型空調機は、通常は外気処理機能を持たないため、室内空気質確保のための対策が必要である。
  2. 中央方式の外調機の導入が困難な場合には、室単位もしくはゾーン単位の外気導入が一般的である。
  3. 暖房時に加湿不足になりやすいことから、加湿器を付加するなどの対策が取られることもある。
  4. 外気処理ユニットは、直膨コイルや全熱交換器等を組み込んだユニットである。
  5. 外気処理専用パッケージ型空調機は、給排気のバランスが取りにくい。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

個別方式空気調和設備の換気設備の種類や特徴についての出題は珍しいです。その中でも外気処理ユニットは出題頻度が特に低い部類なので、もし業務などであまり関わることがないのであれば、個人的には捨て問題としてしまっても構わないと思います。

一応答えを示しておくと、(5)の文章が誤りです。外気処理ユニットは給排気のバランスが取りにくいのですが、外気処理専用パッケージ型空調機は給排気のバランスが取りやすいです。

外気処理ユニットとは、冷媒直膨コイル、全熱交換器、加湿器、フィルタなどを組み込んだユニットです。取り込んだ外気を全熱交換器や送風機、直膨コイルを通したのちに加湿し、給気として室内に送ります。そして、室内から戻ってきた還気を再び全熱交換器を通して排風機から排気します。

空気は外気・給気・還気・排気の4つとして巡ることになりますが、送風や排風の量によっては熱交換が間に合わないなど、バランスの取り方が難しくなります。

一方、外気処理専用パッケージ型空調機の場合は機器内に外気のみが通過する構造なので、外気単独で温度や湿度の調整を行うことができ、給排気のバランスが取りやすいです。

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