ビル管理士試験 H30年 問90 問題と解説

 問 題     

光環境の保守に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 保守率は、照明施設をある期間使用した後の作業面上の平均照度と初期平均照度との比で表される。
  2. 周辺環境の清浄度が同じ場合、下面開放形の照明器具よりも、完全密閉形の照明器具の方が設計光束維持率が低い。
  3. 蛍光ランプは、白熱電球やHIDランプ(高輝度放電ランプ)と比べ、周辺温度による光束変動が大きい。
  4. 水銀ランプやメタルハライドランプの光束は、白熱電球や蛍光ランプ、高圧ナトリウムランプよりも点灯姿勢による影響を受けやすい。
  5. 照明器具の清掃間隔は、汚れによる照度低下によって損失する照明費をちょうど1回分の清掃費で相殺できる期間が、最も経済的な清掃間隔である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

この問題はややマニアックな知識が問われているため、個人的には捨て問題として扱っても構わないと思います。正解以外の選択肢に関しても、重要かつ頻出なのは選択肢(1)くらいで、あとはあまり頻出事項とは呼べない内容です。

とはいえ、参考までに以下に解説をしておきます。

光源の設計光束維持率は、点灯時間の経過に伴う光源自体の光束減退などによる照度低下を補償するための係数のことです。

ある経過時間での設計光束維持率が1に近ければ、それは長持ちする照明器具だといえます。一方、あまり時間が経っていないのに設計光束維持率が0.7くらいに落ちてしまうようでは、それは持ちの悪い照明器具ということになります。

照明器具の種類には、露出形・下面開放形・簡易密閉形・完全密閉形の4つがあります。これらを設計光束維持率を低いほうから高いほうへと並べると、おおよそ以下の大小関係が成り立ちます。

  • 簡易密閉形 < 下面開放形 < 完全密閉形 < 露出形

よって、(2)の記述は「下面開放形」と「完全密閉形」の関係が反対になっていることがわかります。

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