ビル管理士試験 H30年 問86 問題と解説

 問 題     

振動と遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 固体伝搬音問題には振動が関与する。
  2. 対象振動が正弦波の場合、振動加速度の実効値は、最大振幅ので求められる。
  3. コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は増加する。
  4. 床仕上げ材は、柔らかくなるほど、軽量床衝撃音の減衰性能が向上する。
  5. 建物内で感じる道路交通による振動は、不規則で変動も大きい。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

コインシデンス効果とは、壁体の振動と音波の振動とが共振を起こし、特定の周波数域の防音性能が下がる現象をいいます。

また、(3)の「透過損失」は遮音性能を示す数値で、大きいほど防音性能が高いということになります。よって、(3)の「増加する」が誤りで、「減少する」や「低下する」に直すと正しい文章になります。

とはいえ、コインシデンス効果が出題されることはあまりなく、ややマニアックな知識だといえます。この問題は、ほかの選択肢の記述に特におかしいところがないことから、消去法で(3)を選べればそれで充分だと思います。

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