ビル管理士試験 H29年 問110 問題と解説

 問 題     

給水設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 事務所建築における1日当たりの設計給水量は、150~200L/人とする。
  2. 受水槽の有効容量は、一般に1日最大使用水量の1/10とする。
  3. 給水配管内の流速は、最大2.0m/s以下となるように管径を選定する。
  4. 高置水槽方式は、他の給水方式に比べて水質汚染の可能性が低い方式である。
  5. 直結増圧方式は、引込み管に増圧ポンプユニットを設けて水圧を高くし、飲料水のストック機能(貯留機能)が必要な、高層建築物にも適用できるようにした方式である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

この問題は、いずれの選択肢も頻出なので、その内容を正確に押さえておきたいところです。

(1)は「150~200L/人」ではなく、「60~100L/人」です。

(2)で、最大使用量のたった1割しかないと、お昼休みなど集中的に使われる時間帯で受水槽の水が空になるおそれがあります。「1/10」ではなく「1/2程度」とするのが適切です。

(3)は正しい記述です。水圧が管に与えるダメージを抑えるために、給水配管内の流速が最大で2.0m/s以下となるような管径のものを選ぶのが適切です。ちなみに、実際には、給水配管内の流速は一般に0.9~1.2m/sくらいです。

(4)に関して、高置水槽は汚染のリスクが(比較的)高い方式です。その理由は、高置水槽自身が汚染される可能性と、その手前の受水槽が汚染される可能性があるためです。

圧力水槽方式とポンプ直送方式だと、高置水槽がなく受水槽のみなので、汚染リスクがやや下がります。

直結直圧方式や直結増圧方式は、水道直結方式なので(受水槽もないので)、さらに汚染のリスクが低くなります。

(5)の直結増圧方式は、増圧ポンプを設け、水圧を高くして中高層の建築物に適用できるようにした方式です。引込み管から直接各所に給水するので、受水槽や高置水槽といったものはありません。

よって、直結増圧方式は高層建築物にも適用できますが、どうしても飲料水のストック機能(貯留機能)が必要であるなら、この方式は使えません。

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