ビル管理士試験 H29年 問39 問題と解説

 問 題     

電離放射線に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. β線は、鉛・鉄の板を通過する。
  2. 放射線の人体に与える影響の単位は、シーベルト(Sv)である。
  3. 放射線の健康影響のうち、がんに対する影響には閾値(いきち)が存在する。
  4. 感受性が最も高い細胞は、神経細胞である。
  5. 胸のX線検査1回当たりでの被曝(ひばく)線量は、自然放射線による年間被曝量の世界平均よりも多い。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)で、β線は薄い金属板で遮蔽できますので、鉛・鉄の板を透過することができません。

(3)に関して、閾値があれば、それ未満の量であればどれだけ被曝しても健康影響が出ません。しかし、「放射線によるがん」に関しては閾値がなく、微量でも被曝してしまうと、わずかながらがんのリスクを生じます。

放射線の健康影響のうち、閾値を持たないものは以下の3つです。それ以外のもの(脱毛や不妊など)は、閾値があると考えてください。

  1. 悪性腫瘍(がん)
  2. 遺伝子異常
  3. 白血病

(4)で、放射線感受性が高いものといえば、リンパ球です。神経細胞は、むしろ感受性が低いといえます。

(5)に関して、正確な数値までは覚えなくてよいと思いますが、胸部X線の被曝量は0.02mSvくらいです。一方、自然放射線による被曝量は2.4mSv程度なので、これと比べると胸部X線の被曝量はずっと少ないといえます。

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