問 題
建築物衛生法に基づく特定建築物内のねずみ等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- IPM(総合的有害生物管理)において、「警戒水準」とは、すぐに防除作業が必要な状況を指す。
- 環境的対策は、PCO(ねずみ等の防除業者)が日常的に行うこととされている。
- 調査は、目視調査や聞き取り調査を重点的に行い、トラップ等による捕獲調査は必要としない。
- 食料取扱い区域などのねずみ等が発生しやすい場所では、2カ月以内ごとに発生状況調査を実施する。
- 防除は、発生時対策に重点を置いて実施する。
正解 (4)
解 説
(1)の説明は「警戒水準」ではなく、「措置水準」のことです。生息調査の結果として判定される水準には、以下の3つがあります。
- 許容水準:良好な状態で、このまま維持したい
- 警戒水準:現状で大した問題はないが、放っておくと問題が生じるかもしれない
- 措置水準:状況は悪く、すぐに防除作業が必要
(2)に関して、特定建築物を維持管理する責任を負うのは特定建築物維持管理権原者です。よって、建築物衛生法の規定では、環境的対策は、特定建築物維持管理権原者のもとで当該区域の管理者が日常的に行うことになっています。
なお、機器や薬剤を使って調査したり防除したりするといった実際の作業をPCO(ねずみ等の防除業者)に委託することは可能です。あくまで、建築物衛生法では責任の所在をはっきり明記しているということです。
(3)で、目視調査や聞き取り調査も重要ですが、ねずみやゴキブリなど夜行性のものも多く、これらだけではカバーしきれない部分もあるので、トラップ等による捕獲調査も必要です。
(4)は正しい記述です。ねずみ等が発生しやすい場所では2カ月以内ごと、それ以外の場所では6カ月以内ごとが目安となります。
(5)では、発生予防対策がうまくいけば発生時対策をする必要がなくなるので、まずは発生予防対策が優先です。発生予防対策では防除しきれないときに初めて、発生時対策を行います。
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