ビル管理士試験 H28年 問169 問題と解説

 問 題     

ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. ゴキブリは、部屋中を歩き回る習性があるので、殺虫剤の残留処理は部屋内部の全面に行わなくてはならない。
  2. 7か所に3日間設置した粘着トラップに捕獲されたゴキブリの総数が210匹であった場合のゴキブリ指数は20である。
  3. 食毒剤を配置する際、毒餌に殺虫剤を噴霧するとその効果が高まる。
  4. 燻煙(くんえん)処理を効果的に行うために、部屋の気密性を保ち、引出し、戸棚等の戸は開放して隅々まで薬剤がよく行きわたるようにする。
  5. 有機リン剤は、ゴキブリ類に対して追い出し効果を示す。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)で、ゴキブリは部屋中を歩き回る習性がありますが、かといって殺虫剤を部屋全面に撒くのは現実的ではありません。殺虫剤には揮発性成分もあるので部屋の空気が汚染されますし、予算の面でも無理があります。

よって、殺虫剤の残留処理をする際は、ゴキブリの通りそうなところ(例:冷蔵庫の排熱部分、電気配線の集まるところ)にスポット的に実施すると、効率の良い対策を行うことができます。

(2)について、ゴキブリ指数というのは、1トラップ1日あたりの捕獲数です。つまり、全捕獲数をトラップ数で割り、さらに日数で割った値となります。今回の場合は、ゴキブリ指数は10です。

(3)は、毒餌に殺虫剤を噴霧すると、においなどを感じとってゴキブリが毒餌を食べなくなる恐れがあります(毒餌はゴキブリを引き寄せるために良いにおいの成分が含まれていますが、殺虫剤のにおいは嫌がって離れます)。よって、これをしてしまうと効果が下がるリスクのほうが大きいです。

(4)は正しい記述です。煙を室内に充満させるために部屋の気密性を保つことは重要ですが、ゴキブリが引出しや戸棚に隠れていることも多いので、これらの戸は開放して、煙(薬)が届くようにすることが大事です。

(5)で、有機リン剤は忌避性が少ないので、追い出し効果(フラッシング効果ともいいます)は持ちません。フラッシング効果を持つのはピレスロイド系の殺虫剤です。

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