ビル管理士試験 H28年 問8 問題と解説

 問 題     

建築物環境衛生管理基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 建築物衛生法に基づく特定建築物の所有者等の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従って維持管理をしなければならない。
  2. 空気調和設備を設けている特定建築物では、浮遊粉じんの量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、窒素酸化物の含有率、温度、相対湿度及び気流について、各基準値を遵守しなければならない。
  3. 建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ等の防除、その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置を定めている。
  4. 建築物環境衛生管理基準において、ねずみその他の厚生労働省令で定める動物とは、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物をいう。
  5. 建築物衛生法に基づく特定建築物以外の建築物であっても、多数の者が使用、又は利用する場合は、所有者等の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従った維持管理をするよう努めなければならない。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

空気環境の基準は、「空気調和設備を設けている場合」と「機械換気設備を設けている場合」とで異なります。今回の問題では前者となります。

空気調和設備を設けている場合は、以下の7項目について基準に適合するよう、空気調和設備の維持管理に努めなくてはいけません。

  1. 浮遊粉じんの量
  2. 一酸化炭素の含有率
  3. 二酸化炭素の含有率
  4. 温度
  5. 相対湿度
  6. 気流
  7. ホルムアルデヒドの量

一方、機械換気設備は空気調和設備から温度と湿度の調節能力を除いたものなので、こちらの場合は以下の5項目について基準に適合するよう、機械換気設備の維持管理に努めなくてはいけません。

  1. 浮遊粉じんの量
  2. 一酸化炭素の含有率
  3. 二酸化炭素の含有率
  4. 気流
  5. ホルムアルデヒドの量

よって、(2)の「窒素酸化物の含有率」が誤りで、正しくは「ホルムアルデヒドの量」となります。

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