ビル管理士試験 H27年 問56 問題と解説

 問 題     

エアロゾル粒子とその測定粒径との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。

  1. 海岸砂    10μm
  2. ウイルス   3.0μm
  3. 花粉(スギ)  1.0μm
  4. たばこ煙   0.1μm
  5. 細菌     0.01μm

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

各々の粒子径を知っていれば当然答えられますが、ここで重要となるのは径の数値よりもむしろ、大小比較です。

エアロゾル粒子の中では、花粉はかなり大きい部類に入ります。実際のサイズとしては数十μmで、本問のような大小比較の際には花粉がよく登場するので、覚えておくと便利です。

また、主要なエアロゾル粒子の中で最も小さいのはウイルスで、次いでたばこ煙が小さいのは知識として押さえておくと良いです。

細菌(バクテリア)やダニアレルゲンなどが中程度のサイズに分類されるので、次のような大小関係が成り立ちます。

  • 花粉 > 細菌(バクテリア)、ダニアレルゲン > たばこ煙 > ウイルス

ここで選択肢を見ると、(1)の海岸砂は肉眼でもはっきりと見えるので、明らかに花粉よりも大きいですし、「μm」のオーダーというより、むしろ「mm」のオーダーであると判断できるので、これは不適です。

(1)が除外できたので、(2)~(5)の中に正解が1つあるはずだという前提で(2)について考えます。(2)のウイルスは最も小さいエアロゾルであるので、これが(3)~(5)よりも大きい「3.0μm」というのはおかしいです。

実際には、選択肢中で最も小さい数値になっている(5)の「0.01μm」がウイルスの大きさとしてはちょうど良く、一方、細菌のサイズは、(2)にある「3.0μm」前後であることが多いので、(2)と(5)は反対になっています。つまり、(2)も(5)も誤りです。

(3)の花粉は目に見えますが、肉眼で見える限界が数十μm~100μmくらいといわれています。よって、花粉は(3)のように「1.0μm」という小ささではなく、実際には「数十μm」くらいはあることになります。

(4)のたばこ煙は、ウイルス(0.01μm)よりも大きく、細菌(3.0μm)よりも小さいということで、選択肢の「0.1μm」というのが妥当であると判断することができます。

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