ビル管理士試験 H27年 問48 問題と解説

 問 題     

熱移動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 均質な材料で作られた壁内部の温度は、定常状態であれば厚さ方向へ直線分布となる。
  2. 同一材料でも、一般に熱伝導抵抗は温度によって異なる。
  3. 密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導抵抗は小さくなる。
  4. 固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導抵抗を乗じて求められる。
  5. 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導抵抗は小さくなる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

知識として押さえておきたい式が2つあります。ひとつは、熱伝達率と熱伝導抵抗との関係式で、もうひとつは、熱貫流量(熱流)の式です。

まず、熱伝達率と熱伝導抵抗は逆数の関係となります。

K=1/R

  • K:熱貫流率(熱伝達率)[W/(m2・K)]
  • R:熱貫流抵抗(熱伝導抵抗)[m2・K/W]

次に、熱貫流量(熱流)Q[W/m2]は以下の式から算出できます。

Q=Kθ

  • Q:熱貫流量[W/m2]
  • K:熱貫流率(熱伝達率)[W/(m2・K)]
  • θ:内外の温度差[K]

以上を合わせると、(4)は「熱伝導抵抗」を「熱伝達率」に直すか、「乗じて」を「除して」に直す必要があります。

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