問 題
熱移動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 均質な材料で作られた壁内部の温度は、定常状態であれば厚さ方向へ直線分布となる。
- 同一材料でも、一般に熱伝導抵抗は温度によって異なる。
- 密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導抵抗は小さくなる。
- 固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導抵抗を乗じて求められる。
- 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導抵抗は小さくなる。
正解 (4)
解 説
知識として押さえておきたい式が2つあります。ひとつは、熱伝達率と熱伝導抵抗との関係式で、もうひとつは、熱貫流量(熱流)の式です。
まず、熱伝達率と熱伝導抵抗は逆数の関係となります。
K=1/R
- K:熱貫流率(熱伝達率)[W/(m2・K)]
- R:熱貫流抵抗(熱伝導抵抗)[m2・K/W]
次に、熱貫流量(熱流)Q[W/m2]は以下の式から算出できます。
Q=Kθ
- Q:熱貫流量[W/m2]
- K:熱貫流率(熱伝達率)[W/(m2・K)]
- θ:内外の温度差[K]
以上を合わせると、(4)は「熱伝導抵抗」を「熱伝達率」に直すか、「乗じて」を「除して」に直す必要があります。
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