問 題
貯湯槽の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貯湯槽は、定期的に底部の滞留水の排出を行う。
- 開放式の貯湯槽においては、外部からの汚染の経路となりやすいマンホールの気密性、オーバフロー管の防虫網の完全性を点検する。
- 流電陽極式電気防食が施されている場合は、犠牲陽極の腐食状態を調べる。
- 外部電源式電気防食が施されている場合は、定期的に電極の取替えが必要である。
- 毎日、貯湯槽の外観検査を行い、漏れや周囲の配管の状態を確認する。
正解 (4)
解 説
(4)に関して、電気防食の方式で覚えておきたいのは以下の2つです。
- 流電陽極式電気防食
- 外部電源式電気防食
流電陽極式電気防食では、鋼よりもイオン化傾向の大きな(=錆びやすい)金属を接続しておくことで、金属が錆びる要因が発生した際に優先的にそちらが錆び、鋼が守られるという仕組みで防食します。この錆びやすい金属のことを「犠牲陽極」と呼びます。
流電陽極式電気防食では、犠牲陽極が消耗するため取り換えが必要となります。しかし、この方式だと外部電源は必要ありません。
一方、外部電源式電気防食では、外部電源から電流を流し(これを防食電流といいます)、これにより鋼中の電位の高低差をなくし、腐食反応を起こさないようにします。
外部電源式電気防食の場合、電流密度の調整など定期的保守が必要にはなりますが、電極の取替えは必要ありません。
以上から、(4)の記述にあるように定期的に電極の取替えが必要なのは、「外部電源式電気防食」ではなく「流電陽極式電気防食」のほうです。
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