ビル管理士試験 H26年 問53 問題と解説

 問 題     

浮遊粒子の次のアからエの動力学的性質のうち、粒径が大きくなると数値が小さくなるものの組合せとして、最も適当なものはどれか。

  1. 終末沈降速度
  2. 拡散係数
  3. 水平面への沈着速度
  4. 荷電数が等しい粒子の電気移動度
  1. アとイ
  2. アとウ
  3. アとエ
  4. イとエ
  5. ウとエ

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

アの終末沈降速度は、最終的に等速直線運動をしながら沈んでいるときの速度のことです。これはストークスの式に従うので、終末沈降速度は粒径の2乗に比例します。つまり粒径が大きくなると終末沈降速度も大きくなります。

イについて、球形粒子の拡散係数は粒径に反比例します。よって、粒径が大きくなると拡散係数が小さくなります。

ウの沈着速度は、単位時間当たりの沈着量を気中濃度で除した値です。

たとえば水平ダクトにおいて粒径の大小で沈着量がどう変わるかについて考えると、粒径が大きいものは重力によってすぐに沈むので、水平面に沈着する量が増えます。一方で、粒径が小さいものはなかなか沈まず、鉛直面まで達する量が多くなることが想像できると思います。

つまり、粒径が大きくなると水平面への沈着量が多くなるので、水平面への沈着速度は大きくなります。

エの電気移動度は、電界中の電荷をもつ粒子の移動速度を電界強度で除した値です。荷電数が変わらないときは粒径が大きくなると電荷をもつ粒子の移動速度が小さくなるので、電気移動度も小さくなります。よって、粒径が大きくなると荷電数が等しい粒子の電気移動度が小さくなります。

以上から、イとエが適当なので、正解は(4)となります。

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