ビル管理士試験 H25年 問112 問題と解説

 問 題     

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 飲料用貯水槽を独立した水槽室に設置する場合は、出入口に施錠するなどの措置を講ずる。
  2. クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管や装置により直接接続することである。
  3. 飲料用貯水槽の水抜き管は、排水口開放による間接排水とする。
  4. 使用水量に対して貯水槽の容量が過大な場合、滞留水が生じるおそれがある。
  5. 逆サイホン作用の防止対策の基本は、吐水口空間を設けることである。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

排水は給水に比べて汚れた水であることも多いので、排水は基本的に間接排水(排水口と排水管が直接つながっていないもの)とします。直接配管にしてしまうと、水圧のバランスが崩れたときに排水が逆流してしまうおそれがあるからです。

ここで、間接排水には「排水口空間を設ける方法」と「排水口開放する方法」とがあります。

「排水口空間」を設ける方法というのは、排水口と排水管の間に結構な空間(スペース)を取り、逆流させないことはもちろん、排水の跳ね返りなども極力起こらないようにした排水方式です。これはとても衛生的な排水方式といえます。

一方、排水口空間を設けるスペースがない場合には、「排水口開放」とします。これは、排水口と排水管が直接つながってはいないものの、その隙間が少ししかない場合の排水方式です。この方法だと排水の湯気が付着するなどのリスクがあり、排水口空間と比べると不衛生になりやすいです。

よって、飲料用貯水槽や貯湯槽といった、口にする可能性のあるような槽の排水は、排水口空間を設ける方法を取るべきです。一方で、洗濯機など、飲用とは関係ないときの排水は、排水口開放する方法でも構いません(もちろん、排水口空間を設ける方法も使えます)。

以上から、(3)は「排水口開放」では駄目で、「排水口空間」とする必要があります。

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