ビル管理士試験 H22年 問111 問題と解説

 問 題     

給水設備における環境保全の配慮に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 衛生器具による節水として、小便器自動感知洗浄システムがある。
  2. 洗落とし式便器は、最大瞬時流量を多くして、早く汚物を器外に押出すことにより節水を図っている。
  3. 水資源の有効利用として、雨水を便器洗浄水として利用する。
  4. 異種金属の配管を接続すると急激に腐食するおそれがあるので、異種金属を絶縁する必要がある。
  5. 搬送動力の低減として、受水槽を地下階に設置する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)に関して、一般的には、大元の配水管から受水槽に水が運ばれ、次いで高置水槽へ送られて、そこから水を必要としている各部屋へと流れていきます。受水槽を地下に作ってしまうと、高置水槽までの距離(高さ)が長くなってしまうので、搬送動力は余計に掛かってしまいます。

また、高置水槽のないタイプの施設もありますが、やはり水を供給するにあたっては地上の受水槽から送水するよりも地下の受水槽から送水するほうが距離(高さ)が長くなり、搬送動力の面から見ると無駄になります。

よって、(5)の記述が誤りなので、これが正解となります。

ちなみに、(3)の記述は正しく、便器を洗浄するための水であれば雨水などの雑用水を用いることができます。

しかし、温水洗浄式便座(ウォシュレット)の給水は、そのまま人の身体に当たるものです。よって、手洗い場やシャワーなどの水として雑用水を使えないのと同じく、温水洗浄式便座の給水も雑用水では駄目で、必ず上水を使用します。

今回は単純に「便器洗浄水」とあるため、これは便器を洗浄するための水と考えられるので、(3)は正しい記述といえます。

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