ビル管理士試験 H29年 問41 問題と解説

　問 題　　　　　

水銀に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 一般に、有機水銀と無機水銀に分けられる。
2. 有機水銀は、生物濃縮を起こすことが知られている。
3. 水俣(みなまた)病は、メチル水銀による公害病である。
4. 重要な影響の一つに、中枢神経障害がある。
5. 皮膚癌(がん)の原因となることが知られている。

　解 説　　　　　

水銀は(1)の通り有機水銀と無機水銀とがありますが、有機水銀のほうが毒性が強いです。

有機水銀は(2)の通り生物濃縮を起こすため、食物連鎖の上位に立つ魚などに蓄積され、それを食べた人に中枢神経障害を及ぼします。よって(4)も正しいです。

有機水銀の中でもメチル水銀は特に毒性が強く、メチル水銀中毒による集団的な中枢神経障害が、(3)にある水俣病という公害病です。

一方、(5)に関して、水銀が皮膚癌につながる所見は特にありません。水銀による急性中毒の影響としては、口内炎や腎障害が挙げられます。慢性中毒の影響には、上記の通り、中枢神経障害が知られています。