ビル管理士試験 H29年 問21 問題と解説

 問 題     

空気調和設備を設けている事務所について、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則で定められる基準の項目とその基準値との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 二酸化炭素の含有率  1000ppm以下
  2. 気流         0.5m/s以下
  3. 気温         23~28℃
  4. 相対湿度       40~70%
  5. 照度(普通作業)    150lx以上

法改正により、選択肢(5)は問題として成立しません。これを除き、4肢択一問題と考えてください。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

「建築物衛生法における建築物環境衛生管理基準」は頻出ですが、今回は「事務所衛生基準規則における事務室の環境管理基準」が問われています。つまり、特定建築物の話ではなく一般事務所の話となっています。

この試験においては「建築物衛生法における建築物環境衛生管理基準」のほうを問われることがほとんどなので、しっかり区別して覚えられる自信がない場合は、本問は深入りしないほうがよいと思います。

(1)~(4)について、事務所衛生基準規則で定められる基準の項目と基準値は、空気調和設備を設けている場合は次の7項目となります。

  1. 浮遊粉じんの量   :0.15mg/m3以下
  2. 一酸化炭素の含有率 :10ppm以下
  3. 二酸化炭素の含有率 :1000ppm以下
  4. 温度        :18~28℃
  5. 相対湿度      :40~70%
  6. 気流        :0.5m/s以下
  7. ホルムアルデヒドの量:0.1mg/m3以下

よって、(3)の「23~28℃」が誤りで、ここは「18~28℃」となります。

(5)について、本問の出題当時は正しい記述でしたが、2022年の法改正によって、照度基準に関する作業区分と基準値が変わりました。現在の区分・基準値は以下の通りです。

  1. 一般的な事務作業:300ルクス以上
  2. 付随的な事務作業:150ルクス以上

以上から、正解は(3)となります。

コメント

  1. 匿名 より:

    解説中の2.一酸化炭素の含有率:6ppm以下は誤りです。
    正しくは2.一酸化炭素の含有率:10ppm(特別の事情がある建築物に
    あっては20ppm)以下
    となります。

    建築物環境衛生管理基準における一酸化炭素の含有率は2022年4月1日以降10ppm→6ppm以下となりましたが、
    事務所衛生基準規則における一酸化炭素の含有率は2025年9月現時点で変更無しとなっています。