問 題
鉄骨構造とその鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。
- 梁(はり)に使用されるH形鋼のウェブは、主にせん断力に対して抵抗する。
- デッキプレートは、波状の薄鋼板で、床の下地に用いられる。
- 鋼材の耐火被覆工法には、吹付け工法、巻付け工法、成形板張り工法等がある。
- 高力ボルト摩擦接合は、材間引張力により力を伝達する。
正解 (5)
解 説
ややマニアックな知識を要求されていますが、これを知識問題として捉えずに、うまくイメージを膨らますことさえできれば、比較的易しい問題と考えることもできます。
答えを先に示すと、(5)の「材間引張力」が誤りで、正しくは「材間圧縮力」となります。
高力ボルト摩擦接合は、高力ボルトで何層かの接合材を一気に締め付けています。その際、高力ボルト摩擦接合の文字通り、接合材間は摩擦の抵抗によって力を伝達しています。
摩擦は、接合材同士がこすれ合うことで生じる力なので、これは「引っ張り合う」わけではなく、「押し合う」という表現のほうが適切です。よって、高力ボルト摩擦接合は、材間圧縮力により力を伝達します。
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