ビル管理士試験 H28年 問5 問題と解説

 問 題     

次の建築物のうち、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当しないものはどれか。

  1. 教室3,200m2、実習室700m2、職員室100m2を併せもつ各種学校
  2. 事務所3,800m2、商品倉庫200m2を併せもつ事務所ビル
  3. 宿泊施設2,800m2、宴会場700m2を併せもつホテル
  4. 売り場3,800m2、商品倉庫200m2を併せもつデパート
  5. 共同住宅3,200m2、店舗800m2を併せもつ複合ビル

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

特定建築物になるかならないかの境は、多くが3,000m2以上か未満かです。しかし、学校教育法第1条に規定されている学校は、境界線が3,000m2ではなく、8,000m2になります。

学校教育法第1条に規定されている学校というのは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、高専などです。一方、規定されていない学校は、専修学校、各種学校などです。

また、面積の計算をする際には、特定用途に供される部分の面積を考えます。これは、以下の面積の合計です。

  • 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
  • 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
  • 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)

上記以外の用途に供される部分については面積に含めません。

以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。

(1)は学校ですが「各種学校」なので8,000m2ではなく3,000m2が基準となります。教室だけでも3,000m2以上なので明らかに特定建築物に該当しますが、実習室や職員室も特定用途となるので、この場合の面積は計4,000m2ということになります。

(2)と(4)については、どちらも「専ら特定用途に供される部分」だけで3,000m2以上なので、これらも特定建築物です。また、同じ建物内にある商品倉庫は「附属する部分」となるので、(2)と(4)の面積はいずれも計4,000m2となります。

(3)も(1)と同様、宿泊施設も宴会場も特定用途であり、2つを合わせると3,000m2以上なので特定建築物となります。

(5)は、店舗は特定用途となりますが、共同住宅のほうは特定用途でもなければ、附随する部分でも附属する部分でもなく、これは「専ら特定用途以外の用途に供される部分」となります。よって、ここでは面積800m2のみが特定用途となり、3,000m2未満なので特定建築物には該当しません。

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